企業の綻び(ほころび)をムダが救う 続き

前回のブログで「企業の綻び(ほころび)をムダが救う」について書かせて頂きました。今回はそこについて考えていきたいと思います。

 

「ムダ」という言葉を使いました。仕事が忙しくなると、社員間の会話は直接仕事に関係することだけになりがちです。しかしそんな気詰まりな雰囲気が、現場を追い詰め、現場に疲弊感を生み、昨年続いた日本企業の不祥事へとつながっていくのでしょう。だからこそ直接仕事には関係のない会話をここでは「ムダ」と言っています。

 

一般にコーチングでは「現状」と「目指す状態」のGAPを埋めていくために、何を課題として取り組めば良いか、、、というアプローチを行います。もちろんこのアプローチは大切なのですが、会話の中身は現在の仕事のことになりがちで、部下からすると気詰まり感は拭えません。

 

難しい仕事や課題に取り組むからこそ、少し寄り道した会話が必要となります。
心理学では、人は相手のことを深く知ることで、親近感を高めるそうです。「相互理解」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。では人の「ナニ」を知れば良いのでしょうか。大きく2点挙げます。「過去プラスマイナス」と「未来プラスマイナス」です。

 

①お互いの過去を振り返る
・一番やりがいのあったこと
・一番残念だったこと
②お互いの未来を描く
・自分の未来GOODケース
・自分の未来BADケース

 

もう少し補足します。
過去は入社前でも入社後でも良いです。20歳代前半であれば学生時代のことが出てくる場合が多いようですし、そこでのやりがいや残念話には、その人の「らしさ」や「こだわり」が自然と出てきますので、じっくりとお互いの話を質問し合うことが大切です。30歳を過ぎると自然と入社後の話になるでしょう。

 

未来は50歳でも70歳でも構いません。GOODもBADもその裏に想いがあるはずなので、お互いに引き出しましょう。過去は事実ですので比較的出てきやすいでしょう。未来は想いですのでなかなか出てこないこともあるので、先に過去を振り返ることから始めると良いです。

 

「お互い」というのもポイントです。部下のことだけを一方的に聞くのではなく、双方が同じだけ話します。またいきなり部下に問うよりも、上司から話す方が自然な場になります。TPOも大切です。飲み屋でしても良いですし、会社の休憩室でも良いです。1回で不十分であれば、2回、3回とやってください。2人でも4,5人で行ってもいいです。ゴールは参加者が「うちの上司(みんな)はオレのことわかってくれている」と感じてくれることです。

 

この「ムダ」を経験することで、職場内の空気が何でも言えるように変わっていくでしょう。仕事も問題などについても、人間関係についても、これまでよりも格段と話しやすくなります。これまで研修中に「今までで1番の上司は何が良かったですか?」という質問をすると、「自分のことをわかってくれる」という受講者が圧倒的に多いです。今も昔も上司に求められることは変わらないのかも知れないですね。

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