今どきの新人とどう向き合うか

 この時期、街中を歩いているとダークスーツを身につけた新人を見かけます。日中一人で歩いたり、カフェで調べ物をしているのは就活中の大学4年生、そして朝晩に集団でいるのは間違いなく今年の新入社員でしょう。
 

 先日仕事仲間から今年の新入社員研修でのエピソードを聞きました。「1日目に少し厳しく指導したら2日目に突然欠席になって、人事担当者がホテルまで様子を見に行く騒ぎになり、その後の研修も欠席となった」というものです。
 

 厚生労働省の昨年10月の発表では、新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況が大卒で30%以上、高卒で40%以上となっています。Yahoo!ニュースでも、新入社員の「ばっくれ退職」の記事が掲載されており、「内定もらった時はうれしかったが、入社後にこんなはずではなかった」と感じる新人が多いということです。
 

 「世の中の荒波に揉まれる」という言葉あります。ビジネスパーソンはまさに「荒波に揉まれて」成長していくのでしょうが、今どきの新人は学生時代を「荒波を避けながら」育ってきたといえないでしょうか。子供たちが失敗しないように親や先生や社会そのものが安全なレールを敷いてきたということに要因があるのでしょう。しかし失敗が許されない現代社会に出ると「荒波を避ける」に避けきれず、荒波に翻弄されたまま退職する人材も多いのでしょう。
 

 先輩社員層に最近の若手社員の傾向を聞くと、プラス面では「言われたことは素直にやる」「仕事は丁寧」、マイナス面では「言われたことしかしない」「失敗を恐れる」という声がよく聞かれます。答えの見えている仕事(荒波ではない仕事)には前向きに仕事をする様子が見えてきませんか?
 

 そんな今どきの新人とどう向き合うべきなのでしょう。まずは前向きになれるように安心を感じさせてあげることが大切です。「自分のことを見てくれている」「間違ったらアドバイスをもらえる」そういった雰囲気を作っていくことです。
 

 私が担当したある企業の営業部門は数字意識が強く、いきなり現場に連れ出されて「おれのやり方を見ておけ!」「やってみろ!」のように前時代的な育成を長年続けてきましたが、案の定新人の退職者が増えつつありました。ところがある営業所の新人だけは毎年順調に育っていたのです。
 

 その営業所に配属された入社1年の新人に聞いてみると、配属後すぐに所長・OJTリーダー・新人で行ったことが新人に安心を与えていたことがわかりました。会議室で自己開示大会を3人で丸1日行ったというのです。どこで生まれ育ってきたのか、親兄弟のこと、学生時代の喜怒哀楽等々。それらを上司や先輩と配属初日からお互い知り合えたことが、その後の活躍の土台になっていたのです。
 

 ゴールデンウィーク前後には新入社員が配属してくるという方も多いのではないでしょうか。皆さんがまず行うべきことは何ですか。

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